炉とマタギ・三軒茶屋

狩猟肉をセンス抜群の調理法で提供

「炉とマタギ」は三軒茶屋の町のシンボル、キャロットタワーにほど近い昭和の風を感じる一角にこの秋オープンしたばかり。木造一軒家を改造した趣のある外観は、正直、いちげんさんでは若干入りにくい雰囲気がある。が、一歩店内に足を踏み入れると、オープンして間もないというのに食事と会話を楽しむ活気に満ちた客の賑わいに歓迎され、気分は一気にほぐれてしまう。店名からも想像がつくように、炉とマタギでは一般的な肉のみならず、鹿、猪、鴨などのいわゆる狩猟肉を堪能できる。

陶板皿に乗せられて出てきたのは、店のお勧めの蝦夷鹿モモ肉の炉端。臭みが全くない柔らかな鹿肉で、焼き加減がなんとも絶妙。生七味のマヨネーズ、しょうが入り七味、蝦夷わさびなどを添えて頂く。美味しい!と自然に声にしてしまう一品。脂に甘みのあるイノブタバラ肉は、猪の風味はそのままでクセは控えめ。きめの細かい食感であった。

肉の合間には野菜もたっぷりどうぞ、ということで店のお勧めの棒棒野菜アンチョビディップを注文。盛りつけ方も工夫されており、気分の上がる一品である。生野菜ってこんなにおいしかった?と自問したくなるほど瑞々しい。添えられたアンチョビディップは、それをあてにちびちび飲めてしまうほどの完成度があり、ディップのみを100円でおかわり可能という店側の配慮はうれしい。味噌漬け豆腐の薫製には桜の木の皮が使用されており、テーブル中に良い香りが広がった。チーズのように濃厚で、これもお酒のあてにぴったりの一品。

充実しているドリンクメニューの中でもおすすめは、思わず試さずにはいられないネーミングの樽生ワイン。ワインに対する既存の概念とは裏腹に、大きめのゴブレットグラスになんと氷入りで出てきた。塩のきいた肉を食せば、水分(氷入りワイン)も摂りたくなる、という理由かららしいが、確かにその通りで、氷のおかげで食も進み、飲みも進んだ。さっぱりとすいすい飲めてしまうワインは肉料理と合う。

店内は一階と二階に分かれており、どこに目を向けてもでユニークで、且つ自然な演出を感じる造りとなっている。ログハウスのような雰囲気もあり、食事とのコンセプトと非常にマッチしている。”「炉」の火を囲みながら、マタギの焚火に想いを馳せ、山の豊穣の恵みに舌鼓を打つ。”という新しい感覚を持つ店のコンセプトを充分に味わえる、友人に是非おすすめしたいお食事処であった。

取り扱う肉の種類は様々で、牛ランプ肉、馬肉、地鶏肉、川魚や本ししゃもなどのシーフド料理もあり、また、その日の仕入れ状況やお客のリクエストにより、メニュー以外も充実しているそうなので来店の際は尋ねてみるとよい。

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お気付きの方もいるだろうか、「炉とマタギ」は当サイトにすでに記載されている、三軒茶屋•肉寿司 http://japantourist.jp/view と同じ建物内にあり、相互はいわゆる姉妹店のような関係にある。両店とも肉をメインに取り扱ってはいるものの、コンセプトは異なる。どちらも一見(一食)の価値あり。

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